提言と財政支出額の根拠解説と補足(松尾匡)
2020年3月22日
薔薇マークキャンペーン代表 松尾 匡(立命館大学経済学部教授)
薔薇マークキャンペーンでは、消費税・新型コロナショックによる経済危機に際して、緊急の経済対策を提言する声明(「消費税・新型コロナショックへの緊急財政出動を求めます」;以下「声明」)をまとめました。以下では、私(松尾匡)の個人の責任で、この提言へのご賛同とお力添えをお願いする根拠を解説いたします。これは私個人の考える根拠ですので、以下述べる論拠にご納得されない場合でも、提言自体に同意される場合は、積極的にご賛同、お力添えいただきますようお願いいたします。
1.情勢
まず、声明では、今日本経済が深刻なデフレ恐慌への突入の危機にあることを訴えております。これは多くのデータから明らかなことです。
【景気後退兆候の中での消費税率引き上げの打撃】
すでに消費税率引き上げの前から、去年に入って輸出、鉱工業生産指数、商業販売額、有効求人数などの月々のデータが1年前と比べてマイナスになっていました。景気動向指数も低下傾向を示していて、多くの論者が景気後退期に入ったことを警告する中で、10月に消費税引き上げが強行されました。
案の定、その打撃が恐るべきものだったことが、次々と明らかになっています。鉱工業生産指数は大幅減、有効求人数もマイナス幅が拡大しました。特に直近1月の有効求人数の減少は、前年同月比7.3%という大幅な落ち込みになりました。商業販売額も消費動向指数も、駆け込み消費によるプラスは前回2014年の消費税引き上げ前よりも小さかったのに、そのあとのマイナスは、前回の引き上げ後よりも大きいという大変な落ち込みぶりです。これらの月次データはその後も復活のそぶりをみせないまま前年比の落ち込みが続いてきました。
そして内閣府GDP速報の2019年10-12月期二次速報では、季節調整済み実質GDPは年率換算前期比7.1%という大幅なマイナス。名目値では消費税が2%上がっている影響で物価がちょっと上がった分が相殺されて、マイナス5.8%ですが、前々回の1997年のときも前回の2014年のときも、この変化率は名目変化率はプラスでした。実質はマイナスでしたが消費税増税による物価の上昇の範囲内だったということです。しかも、前回引き上げ後の実質GDPの減少幅は7.4%と、今回をわずかに上回っていますが、前回はそれに先立つ期の増加が駆け込み需要によって4.0%もあったのに、今回のそれは1.0%しかなく、均してみたら今回の方が落ち込みが大きいと言えます。
なお、今回は、実質年率換算前期比で見て、民間最終消費支出がマイナス10.6%、民間企業設備投資がマイナス17.3%。この設備投資の落ち込みは、ウェブでとれる1994年以降の数字の中で最大の落ち込みとなっています。
【新型コロナウイルスショックによる経済的打撃】
以上はすべてコロナ前の状況です。その後これに新型コロナ騒動の打撃が加わっています。インバウンド需要の激減によって観光産業を中心に大きな打撃を受け、さらに一斉休校で給食などの関連業者が、イベントの自粛で広範な関連産業が壊滅的影響を受けています。外食や買い物もひかえられるようになって、観光客相手ではない外食業や宿泊、旅客運送業、百貨店、観覧施設等々も大きく落ち込んでいます。これによって、倒産や失業、賃金の引き下げなどで所得が落ちた人たちが消費を減らし、企業が仕入れを減らして設備投資をひかえて、需要の落ち込みは経済全体へと広範に広がっていくことでしょう。
すでに公表された数字としては、1月まで5ヶ月連続で倒産件数が前年同月を上回ってきましたが、コロナショックに見舞われた2月も当然これが続き、倒産件数が前年同月を連続で上回った期間はリーマンショック後以来となりました。2月の景気ウォッチャー調査の数字も出ていますが、季節調整済みDIは前月差14.5ポイントという急落で、特に飲食関連が23.8ポイントの低下となっています。
すでに、市場関係者の予想するインフレ率(普通の国債の利回りから物価連動国債の利回りを引いた「ブレーク・イーブン・インフレ率」)はマイナスになっています。すなわちデフレが予想されるようになっています。こうなると将来借金の負担が重くなりますので、設備投資やマイホームの建設や車の購入などはひかえられることになり、ますます需要が冷え込みます。
【円高による経済悪化の懸念】
この上に円高も起こりました。今回の景気後退はもともと米中貿易摩擦に端を発した輸出の減退から始まっています。また、コロナショックで世界経済が後退を始めており、それによっても輸出が減るところです。円高は、この上に輸出をさらに落ち込ませることになります。コロナショックで減ったインバウンド需要をさらに落ち込ませることも言うまでもありません。また、円高による輸入品価格の低下は、消費税率引き上げで苦しむ国内製造業・農林水産業、特に中小・自営の事業者をますます圧迫することになるでしょう。
円ドル相場はおおまかには日米の長期金利差が影響します。アメリカの中央銀行であるFRBは、トランプ大統領の強硬な意向もあり、利下げを続ける傾向にあります。もし日本の金融政策に大きな変更がなければ、これまでと比較してアメリカで資金を運用することが不利になり、アメリカから日本に資金が流れますので、ドルを売って円を買う力が強まり、円高になるのです。今後FRBが利下げを続けていくかぎり、日銀が大胆におカネを出さないならば、円高傾向を止めることはできなくなります。
【あの恐ろしい不況時代が再来する?】
このような状況の中で、とうとう来年度卒業生への内定取り消しが起こっています。さすがに多くの場合内定は守られるでしょうが、その分、来年度の採用が絞られることが懸念されます。このままでは就職氷河期が再来し、最悪の場合またもロストジェネレーションが生み出される恐れがあります。派遣切りや業務委託契約の打ち切りなどの事例も報道されはじめました。それゆえ本当のロストジェネレーションの人たちの再受難時代がはじまることも懸念されます。もし政治が何もしなければ、物価の下落と、倒産、賃金低下、クビ切り、非正規化が悪循環になるデフレスパイラルの、あの恐ろしい不況時代がまたやってくるのは間違いありません。
【この責任は消費増税と非正規化と緊縮財政にある】
まず押さえておかなければならないのは、こんなことになった第一の原因は昨年10月の消費税率引き上げにあるということです。地震も台風も大雨も、毎年のように甚大な被害をもたらす天災が起こります。ときたま世界経済危機も起こります。だから、そんな想定外のことが起こっても、人々の生活ができるだけ正常に営めるように経済政策というものは考えるべきです。いかにコロナショックの影響が大きくても、多くの人が景気後退を警告する中で消費税率引き上げを強行した安倍内閣の責任が免れるわけではありません。
もちろん、政府・財界が、長い間雇用の非正規化を進めてきたせいで、低賃金で内需が細って輸出やインバウンドに依存する経済体質を作ってしまい、何かあったときにすぐ失業が出ることになった責任も問わなければなりません。これまでの消費税率引き上げも、財政が拡大しないように押さえ込んできた緊縮政策も、こうした経済体質になることを進めてきました。特に、今回のコロナ問題については、本質的に、公衆衛生への公的支出を削減し、医療資源を抑制してきた長年の緊縮政策が招いた災いと言え、しかも直接にも、検査の必要な人のための収容場所の借り上げに公金を惜しんだことがもたらしたと言えます。
【消費税10%のもたらす格差社会へのジャンプ】
消費税10%の世界とは、地域の自営業、中小零細企業が廃業に追い込まれ、低賃金非正規雇用とスケールメリットで全国チェーン店やグローバル企業が生き残る、荒涼とした格差社会です。昨年10月の引き上げ以降、このような世界への移行がだんだんと進んでいくことが懸念されたところでした。新型コロナウィルスによる経済活動の抑制により、手をこまぬくならばさらに円高が加わり、この移行が、後戻りできない急激なジャンプとしてもたらされる恐れが目の前に迫っています。
2.財源論
【経済対策の財源は国債の日銀引き受けで】
この危機を乗り越えて庶民の生活を保障し、雇用と生業を守り、さらに改善させるためには、緊急の大胆な財政出動が必要です。これは、縮小しつつある総需要を拡大させ、デフレと円高を防ぐためのものですから、増税によりその効果を削ぐわけにはいきません。全額国債でまかなう必要があります。
しかも、その際資金コストを抑え、円高を防ぐには、ゼロ金利の環境を当分の間維持する(と人々に認識させる)必要があります。日銀がETF(上場投資信託)を買い入れてこれを行うことは、資産家の利益優遇であり、上場していない企業にとって不公平ですので、本来正当性を欠きますが、目下、買い入れる国債が市中に足りなくなっていることで正当化されています。十分な国債が発行されれば、日銀は国債を買うことでこの目的を達することができ、ETFを買う根拠は失われます。
さらに、日銀が民間から国債を買い入れる場合、しばしば額面より高く買って金融機関を転売益で優遇することになりますので、この際、日銀が政府から国債を直接引き受けすることが望まれます。国債発行と言えば「将来増税で返さなければならない借金である」との一般の思い込みを払拭するためにも、国債を政府の子会社である日銀に買わせて塩漬けにしてしまうことが効果的でしょう。
思い起こせば、東日本大震災のときに、自民党から民主党、社民党や革新系無所属まで含む超党派の議員で、復興資金を、事実上の国債の日銀引き受け(政府・日銀の政策協定による買い切りオペ)で作るということを提唱する議員団体ができたことがあります(増税によらない復興財源を求める会)。そもそも、日銀による国債の直接引き受けを禁止した財政法第5条でも、「特別の事由がある場合」国会の承認があれば認められるとしています。今回の事態は、経済的・社会的影響の大きさや全国性に鑑みると、東日本大震災をも超えた例外的事態だと言えると思います。
【国債の日銀引き受けによる経済対策の規模】
今回の景気後退は、放置すればリーマンショック時を超えるものとなる可能性があります。リーマンショックでは、2007年度と比べた2008年度では名目GDPが21兆円ほどの減少になりました。さらに2008年度と比べて2009年度では10兆円ほど減っています。したがって、20〜30兆円のGDPの減少となる可能性があります。
ところで、2%のインフレを物価安定ための歯止めとした場合、それと整合する失業率は、多めに(固めに)見積もって1%台半ばになります(バブル崩壊後の失業率と消費者物価上昇率から単純なフィリップス曲線で求めた)。現在の日本の労働力人口約6900万人からその失業率の分をひくと、だいたい6800万人になります。現在の就業者数は、今年1月分で6687万人。このままの場合は100万人強増やせば6800万人に届きます。2000年以降、名目GDPと就業者数にはほぼ直線式の関係があって、100万人の雇用を増やすには、名目GDPが14.4兆円増えればいいと出ているので、それに20〜30兆円の落ち込み分を加えると、30数兆円から40数兆円のGDPの増加が可能ということになります。
政府支出の増加がその何倍のGDPの増加をもたらすかを表す「乗数」は、現在1ないとはよく聞きますが、こちらで簡易計算しても6割ぐらいになります。多めに見積もって3分の2として、30数兆円から40数兆円のGDPの増加をこれで割ると、50兆円から60数兆円の追加的な増税なき財政支出増加が可能との結論が得られます。
もちろん、以上の計算は大慌ての概算であり、現実の供給余力が以上の見積もりより少なく、この規模の財政出動を日銀引き受けですべてするとインフレが許容率を超える可能性もゼロではありません。したがって、以下の経済対策は、そのときどきの経済状況を見て比較的スムーズに規模をコントロールできるものをメインにしています。
3.確実に全員に届く給付金
【一人20万円の給付金】
声明ではまず、全ての人の生活を守るための緊急対策として、日本の全人口1.26億人全員に、一人当たり20万円の無条件給付を行うことを提言しています。新型コロナウイルスによる経済的影響はさまざまな部門に波及しており、もとより消費増税の影響は全産業に及ぶので、特定部門を選別して雇用(休業)補償金などで対処することは不可能になっています。これによって必要となる国債発行額は、総額25.2兆円になります。
この20万円という額は、厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」にある正社員・正職員以外の賃金209.4千円に基づいています。これによって、派遣やフリーランスの人がこの3月ひと月の間仕事がなくなったのを補償することができます。
本来、お金に十分に余裕のある富裕層に給付することには賛否があると思いますが、今回の緊急事態に際して、手続きや審査なく生活困窮者に速やかに給付するためには、一律配布が唯一の方法ではないかと考えられます。格差対策としては、この給付金(本人と扶養親族のもの)を所得税の課税ベースに入れることは選択肢となります。
なお、経済状況次第では、この給付金の金額や給付期間の追加などの調整もあり得るものとします。状況によっては、ひと月あたりの給付を若干減らして、給付期間を延ばすなども検討していいと思います。
それから、一斉休校措置による給食関連業者などの直接の損害は、もちろん20万円を超えるものと思われますが、別途補償するものとします。その他、給付金ではカバーできない損害の補償については、ひきつづき検討していくことを求めます。
【郵政の再国有化】
この給付金は、日本で生活する全ての人の状況を助けることを最優先し、給付の漏れや差別がないようにします。また、ウィルスや災害は今後も起きることを想定して給付方法を確立する必要があります。声明では、そのための効果的な手段を一つ提案しています。
それが、郵政を再国有化して、全員が郵便貯金口座を持つようにし、そこに給付する方法です。日本郵政の株の57%強は現在も政府が持っており、自己株式もかなりありますので、国有化のために改めて財源は不要です。
さらに、住民票登録がないなどで口座を持てない人や、口座作成を拒む人への配慮も行い、全員への確実な給付方法を追求しなければなりません。そのため、役所の窓口を増やし、公務員を増やしてその任に当てるべきです。
4.消費税停止
市場の崩壊に直面してあえぐ中小・自営の事業者を救い、庶民の暮らしに息継ぎを与えるには、緊急に消費税を停止することが必要です。とりあえず消費税が停止されると、「今のうちに」ということで、消費の前倒し効果が働き、景気回復に寄与します。
停止の措置については、この数十年の不景気が解消される景気回復があるまでは継続することとします。停止の措置を見直す際には、税率5%以下の範囲での回復とし、消費税の廃止も含めて検討します
これによる税収不足をおぎなうために年間に発行される国債は、昨年の消費税収額とすると約20兆円となります。(消費税率引き上げ前に発行されていた国債の分はベースラインのGDPを維持するために必要だった分で、そのベースラインとの増減を計算しているので、ここには消費税率引き上げによる税収の増分は含まない。)
また、この春の消費税納税では納税できない業者が続出すると見込まれますので、納税猶予制度をもっと拡充することが必要です。申請に伴う事務を考えると1年間ぐらい一律で猶予することも検討されるべきです。今年の消費税で停止措置が間に合わなかった分については、中間納付が免除されるべきです。
5.その他の財政支出
以上は比較的規模の調整が効くメインの対策ですが、2019年10-12月期のGDP速報の実質原数値では、前の年と比べてGDPが10兆円すでに減っていますので、少なくとも10兆円は確実に、インフレ進行を全く気にすることなく、規模の調節が難しい用途に使えることになります。
【新型コロナ対策】
そこで声明では、まず新型コロナウイルス対策に関し、医療・介護・保育体制の確保が急務だとして、次のような提言を行なっています。
①独立行政法人化した国立病院を元どおり国立に戻し、無料で検査、処置する体制を作ります。
②医療関係者、介護・保育従事者などが、発熱者に対応することを選んだ場合、公的に手当てを出します。
③対応した患者・利用者が新型コロナウイルスに感染していた場合の従事者本人及び関係者・関係事業体への損害をすべて公的に補償します。従事者本人及び関係者がこれによって感染した場合は、公的補償を追加します。
④そのほか、一般に事業所がコロナウイルスに感染した疑いで消毒措置を受けて休業した場合、それによる損害を公的に補償します。
【そのほかの緊急対策】
そのほか、声明では次のような緊急対策をあげています。
・社会保険料の減免
・奨学金返済の減免や猶予
・住む場所の確保
・児童手当倍額支給
これらのことに10兆円支出するならば、総計で約55兆円となり、インフレ目標の範囲内の追加的赤字財政支出にほぼ収まります。
なお、当分のあいだ、中小企業などの当座の運転資金などのため、国がゼロ金利で資金調達して政策金融公庫を通じて、支払い金の融資や過去の借金の借り換えなどを行うことも必要でしょう。有利子奨学金を国がゼロ金利で資金調達して借り換えることで、奨学金の利子払いをなくすこともできます。これらのことは、元本は原則として融資先から帰ってくるので、税金で返す必要がもともと形式的にもないものだと言えます。また、これらは既存の債務を取り替えるだけなので、多くの場合新たに経済に預金通貨を増やすことはなく、総需要を追加するものではないので、上記インフレ制約の枠55兆円の外で設定できます。
それから、財政支出を必要としない政策として、緊急に必要なことがあります。コンビニオーナーが親会社の意に反して店をやめると高額の違約金をとられる仕組みのために、業績が悪化しても奴隷労働を強いられることが問題となっています。この状況が今回の経済危機の中で、特に観光地などで、悪化することが懸念されます。コンビニのフランチャイズ契約にかぎらず、本人の意に反した就労を強制する違約金契約は無効とする立法が必要です。そのほか、財政支出を必要としない政策としては、有給傷病休暇制度を全事業体に義務づけるよう緊急に立法化すること、災害関連の寄付控除制度などを新型コロナ関連に適用する措置といったアイデアが考えられます。
6.東京オリンピックの中止
以上は、総需要が減退してデフレ不況に陥ることを想定した経済対策ですが、新型コロナ感染の流行の度合いによっては、国の供給能力が落ちて、むしろインフレの心配をしなければならなくなる可能性もあります。
その際、給付金や消費税停止なら、額や停止期間や税率などを、そのときの状況を見て調整できますが、五輪関連の官民の支出はそういう調整が効かないので、インフレを抑制しようとすると、庶民の生活を支えるための政府支出が割を食わされる恐れがあります。
また、デフレ不況になった場合でも、首都圏に限定すれば五輪に一定期間は人手がとられるのは間違いなく、コロナ対策で必要になる医療や介護などの人手や、必要な医療資源を作る人手が足りなくなる可能性も高いと思います。
したがって、目下の危機に対応する経済運営の自由度を確保するには、五輪は中止、少なくとも延期が必要です。それによる経済的マイナスを心配する向きもあると思いますが、五輪で生まれる総需要の拡大と同じくらいの総需要を作る追加支出の必要性はいくらでもあると思います。
同様のことは、カジノや万博についても言えると考えられます。
以上
※ 2020年3月24日訂正箇所
・東日本大震災のときの日銀の国債買い入れによる支出を提唱した議員の所属政党名に「生活の党」が入っていたが、この時点ではまだ民主党分裂前で「生活の党」は存在しないので削除した。
・リーマンショック後のGDPの落ち込みは、年ではなく年度の数値なので、そのように訂正した。