キックオフ記者会見での池田香代子呼びかけ人の挨拶

(2019/02/01 衆議院第一議員会館)

池田です。私は18年前になりますか、『世界がもし100人の村だったら』という絵本を出しました。一言で言うと、SDGs、「持続可能な開発目標」にまつわる寓話的な絵本です。SDGsという言葉、当時はまだなくて、その前身のMDGs(ミレニアム開発目標)やそれに関連したESDs(持続可能な開発のための教育)が提唱され始めていましたが、広がりはイマイチでした。いまはSDGsで通じるんですね。
その分野にはまったく素人でしたので、手探りでつくりました。素人ですから用意周到とはいかず、本を作ると初めて次の課題が見えてきます。そんな調子で、なんと数年前に6冊目を出しました。これは全然売れないのですが「経済編」です。そのとき世界経済をお勉強して、私がわかったのは、この20年でお金持ちは大金持ちになり、先進工業国の中間層がやせ細った、ということです。
とはいえ、アメリカやEU諸国は経済成長してるんですよね。外国に行くとみなさんお感じになるでしょうが、ちょっとしたランチを食べようと思ったら、1000円じゃ足りませんよね。2000円出さないと食べられないんです。でも日本では500円で、ワンコインでランチが食べられたりします。これがこの20年の間についた差なんです。世界的に見ると日本の経済は、相対的にも絶対的にも一人負けです。
いま、戦後最長の景気拡大と言われています。景気拡大と言うと、高度経済成長の時の感じを思い出しますけど、そんな好況感はぜんぜんありませんよね。誤差の範囲みたいな微々たる経済成長率ですし、それも統計があやしくて、もしかしたら間違っているのかもしれないというような。実感は、景気拡大という言葉から受ける印象とはかけはなれています。
私は素人なので間違っていたらごめんなさいなのですが、ピケティさんは、「金融緩和はいい、けれどお金の使い方が間違っている」と言ったと理解しました。クルーグマンさんも、「金融緩和だけでは、日本のこのデフレ状況は救えない」とおっしゃいました。つまり、お二方とも「金融緩和はいい、その他の政策が全部間違っている」というふうに言っていると思うんです。
私も直感的に生活者としてそう思います。GDPの6割は個人消費です。ところが、たとえば、教育、保育、介護、医療に関わる人々の低賃金や過重労働。問題です。ここでお給料を増やすべきではないでしょうか。保育士さんのお給料、プラス5万円なんて話が昔ありましたが、その方々はすぐにその5万円を使うじゃないですか。そうしたら、社会にお金がめぐると思うんです。それをしないで、まさにそこのところをどんどん削っている。なんだか、タコが自分の足を食べているような感じです。
私はベビーブーマーです。私の子供に当たる世代は第二次の小さなベビーブームが起きました。では、私の子供たちが結婚する年頃になって、もう少し小さくなるかもしれないけれど、第三次ベビーブームが起こるかなと思ったら、起きていないんですね。まったく山がない。ザーッと出生数が下がっている。一方的に下がっています。これ、人為的にやったんですよ、この国は。明らかに経済政策の失敗です。これをなんとか一刻も早く止めなければならないというときに、松尾さんたちが立ち上がってくださったので、私も素人ですけど、これはいいと思いました。選択肢を増やす、いいじゃないですか。本当に未来がバラ色になります。
そんなことをしたらインフレになるという人もいるけれど、ハイパーインフレとかってドイツの戦間期のこととかを考えても、戦争があったりするとハイパーインフレになるんですよね。インフレは、政策でブレーキをかけることが、デフレを何とかするよりも簡単。今の日本など、これまでの経済政策のおかげでインフレに対する手立てが増えちゃった状況なので、ハイパーインフレで恫喝する人は、私はちょっと裏があるんじゃないかと思います。
市民のみなさん、この薔薇マークキャンペーンにご賛同になったら、どうか選挙区の候補者の方々に「これどうですか、賛成して認定を受けてください」というふうに直に接触していただきたいと思います。選挙が近づくと候補者の方々って、すごく門戸を広げてくださいますので、ぜひそういうことでこのキャンペーンを広げてください。よろしくお願いいたします。