内田樹さんが呼びかけ人に加わりました

 このたび内田樹さんが呼びかけ人に加わってくださいました。内田さんからのメッセージを紹介します。大変ありがとうございます。
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内田樹(神戸女学院大学名誉教授・京都精華大学客員教授)

 僕は門外漢ですので、個々の経済政策の有効性については判断できませんけれど、経済活動の根本原理については理解しているつもりです。
 経済活動の本質は運動性です。ですから、経済政策の適否は「どうすれば財貨やサービスが安定的にかつ活発に交換され続けるか?」という問いに基づいて判断されるべきだと僕は考えています。
 どうやって貨幣を運動させるか?運動性の高い貨幣によって商品やサービスが交換され続けるためにはどういう仕組みが適切なのか?
 答えは原理的には簡単です。
 それは交換活動にかかわるプレイヤーの数を増やすことです。
 具体的に考えても、10億円を一人が抱え込んでいるよりも、1万人が10万円持っている方が交換活動は活発になる。
 単位時間内に一人の人間が10億円で買える財貨サービスは知れたものです。すぐに使い切ろうとしたら株や不動産や貴金属を買うしかない。でも、そんなものはすべて「貨幣の代用物」に過ぎません。富が偏在すると、人々は「貨幣で貨幣を買う」という出口のない循環に陥る。
 でも、1万人に配った10万円が使い切られるのは一瞬のうちですし、その用途も限りなく多様です。
 経済活動が健全であるか不健全であるかを財貨サービスの交換の活動性多様性を基準にして測定すると、適切な経済政策とは「交換にかかわるプレイヤーの数を増やす」ものであるはずです。
 薔薇マークの政策は「プレイヤーの数を増やす」ということをめざしていると思いますので、僕はこの運動に同意の一票を投じます。